マッチングアプリで出会った相手と、顔を合わせて会ったのは3回だけで結婚を決めたという、そんな女性のお話です。
みなさんはトレードオフという言葉をご存知でしょうか?
トレードオフとは、何かを得ると別の何かを失う相容れない関係のことです。
遊びまくって仕事をしなければ、遊ぶためのお金はなくなるなんていうのも、分かりやすいトレードオフの一例かと。
この女性は、
「自分は結婚に恋愛を重視しておらず、大切な人間関係をしっかり築ける相手と結婚をしたい」
という考えをもって婚活をしていました。
今の婚活では、どうしても相手(男性)が恋愛感情をはじめに求めにきて、恋愛関係を築かないと結婚まで進まないというのがあり、恋愛関係を最重要視していない女性にとっては、その流れがとても結婚を難しくしていたんです。
そんなときに、結婚に恋愛を重視しない人が集まる専用のマッチングアプリがあることを知り活動をはじめ、自分が大事にしている感覚と同じものを持っている相手を探しにいくという方法をとって結婚まで進みました。
その方がおっしゃっていたのが、
「本当に必要な価値観はしっかり持っていたほうがいいけど、そうじゃないことは意図的に捨てること。
中途半端にアレもコレもと抱えようとするとどれも手に入らないので、必要なものをしっかり求めに行って、そうじゃないものは自分の意志で手放すことをしたときに、本当に必要なものが手に入った」
ということでした。
求めることはしっかり求めて、それ以外のことを意図的に捨てることで、本当に大切なことを手に入れる
これがまさにトレードオフということ。
この女性の場合は、「大切な人間関係をしっかり築ける相手と結婚をしたい」というのが本当に求めていることで、「そのためには恋愛関係を築かないといけない」という今の世の中のあたりまえを無理に抱えず、意図的に手離すという方法を取りました。
これが上手にできている人はスムーズに結婚をしますが、本当に必要なことが分かっていなかったり、分かってはいるけれどそれ以外を手放すことができずにアレもコレもとやろうとしてしまうと、婚活をしても結婚まで辿り着かなくなってしまうということです。
「恋愛観はなくてもいいし、性交渉もはじめからなければそれでもいい、ただ自分としっかり向き合って話をしてくれる、そんな安心感を得られる相手と一緒に生活を送りたい」
それがその女性の求めることであったので、そこだけを明確にして婚活をしたら、同じことを求める相手と出会い、そこからはトントン拍子でまるでプロジェクトのように話が進み、実際に顔を合わせてデートをしたのは3回で結婚を決めました。
自分としっかり向き合ってくれて、その姿に安心を感じること、そしてそこに無理に恋愛観を求めないで人として付き合ってもらえること、それは日常のオンラインでの会話と3回のデートで十分すぎるくらい伝わってきたとのことでした。
「もう婚活をしいなくていいというのもすごく穏やかな気持ちだし、会社でも『結婚していない自分』という扱いをされていたことが気になっていて、そこから解放されたのもすごく大きい」
ということもつけ加えてお話していました。
何を求めるかは人それぞれです。
ただ、
「結婚をしたい」という強い希望があり、結婚していない自分を受け止めるのがツラいのなら、
結婚にだけ向かって真っすぐ進み、それ以外のことを意図的に捨てて、本当に大切なことを手に入れてから、後でそれ以外のことを少しずつ作り上げていく、
それが
「恋愛した相手と結婚するのではなく、結婚した相手と恋愛する」という、3クル(サンクル)のコンセプトと一致するところで、その女性のことを思い出しました。
思い出したついでに、先日一緒にお茶をしたのですが、あれから3年今でも穏やかに幸せに結婚生活を続けていらっしゃいました。
自分にとって大切なことって何なのか?
そのためにするべきことって何なのか?
それのために捨てることって何なのか?
諦めるんじゃないし、いらなくなったわけじゃないし、妥協するんでもなくて、本当に大切なものを手に入れるためにそれ以外を意図的に手放す。
本当に大切なものを手に入れてから、手放したそれ以外を相手と一緒に少しずつ築いていく。
本当に大切なものを手に入れている人って、それ以外のものを捨てるのがとても上手でスムーズなんですよね。



